「LINE Business Guide 2022年7月-9月期」によると日本でLINEを使っている人は9,200万人を超えているそうです。(2022年3月末時点)
これは日本の人口の約70%以上をカバーしているということであり、日本国内の生活インフラとしても定着しています。
若年層、シニア層を問わず各年代に満遍なく利用者がいるのもLINEの特徴です。
チャット形式で気軽にメッセージを送ることができ、複数人への連絡もグループを作って簡単に送ることができます。
現在では日常の欠かせないコミュニケーションツールとして多くの人が参加しているSNSアプリです。
そんな人気のLINEですが、時折「アカウントが乗っ取られた!」などという不穏なニュースを耳にすることがあると思います。
乗っ取り被害は2014年ごろから顕在化し、特に近年では悪質な詐欺被害も急増しているので不安になっている人も多いのではないでしょうか?
今回は、「アカウントが乗っ取られる」と、どういう被害が出るのかを考え、乗っ取られた時に確認することや対処法について考えてみます。
乗っ取られるってどういうこと?
まず、「LINEアカウントが乗っ取られる」とはどういうことなのでしょうか?
「どういう被害が起こるでしょうか?」と言った方が良いですね。大別すると次の3つになります。
自分になりすまし、友人たちからお金を奪おうとする
第三者にアカウントを乗っ取られると、本人になりすまして家族や知人・友人たちに詐欺メッセージを送り、お金を盗もうとします。
LINEの詐欺被害として多いのが、プリペイドカードやウェブマネーの代理購入を家族や友人にお願いし、その写真を送るように頼んだり、番号を連絡させたりして現金を盗む方法です。
この時、LINEを乗っ取られた本人には直接の被害はありませんが、知人・友人たちは被害者となり信用を失ってしまうでしょう。
LINE Payの不正利用
LINEにはモバイル送金、決済サービスの「LINE Pay」があります。
簡単にチャージして、コンビニや飲食店などで利用することができるサービスです。
アカウントを乗っ取った犯人にスマホのパスコードなども知られてしまうと、不正利用される恐れがあります。
アカウントを削除される
LINEのアカウントが乗っ取られると、そのアカウントは削除されてしまいます。
これにより、
・LINEで繋がっている友だちが全員消えてしまう
・トーク履歴が全て消えてしまう・スタンプも消えてしまう
・Keepに保存している写真や動画がなくなる
・LINEゲームなどのスコアが消える
などの被害があります。
乗っ取りの手口とは?
LINEアカウントが乗っ取られると甚大な被害が及ぶかもしれないということがわかったと思います。
ではどうやってLINEアカウントを盗むのでしょうか?これには大きく2つの手口があるようです。
不正ログイン
LINEのログイン情報が不正に入手されたり漏洩し、勝手にログインされる。
またはあなたの電話番号を入手した犯人が、言葉巧みに認証番号やパスワードを聞き出しログインされるケースです。
フィッシング
LINEからの公的メッセージのように送られた「本人確認のためログインしてください」というメッセージに騙されてしまう。
または既に乗っ取られたLINEアカウントから「乗っ取られてしまったので協力してください」というメッセージが送られてきて記載されているウェブサイトにアクセスするとアカウント情報が盗まれてしまうというケースです。
乗っ取られているかを確認する方法は?
自分が乗っ取られているかどうかを確認する方法はあるのでしょうか?
これは大きく分けて2つあります。
知らない端末からのログインがないか確認します
LINEではパソコンからログインした時に、スマホアプリにパソコンからのログインがあったことが通知されます。
ログイン通知はログインするたびに通知されますし、ログインしようとした情報も通知されます。
自分がログインしようとしていないのに通知が来たらすぐにパスワード変更や「ログイン許可のオフ」が必要です。(「ログイン許可のオフ」は後述します。)
ログイン中の端末を確認します
LINEでは今どの端末でログインしているかが簡単に確認できます。
***設定****
LINEを開き「ホーム」をタップ>右上の「設定」をタップ>「アカウント」をタップ>画面下部の「ログイン中の端末」をタップ→ログイン中の端末を確認します!
もし、知らない端末が表示されていたら、その端末の右手にある「ログアウト」をタップしてください。
ログアウトさせることができます。
乗っ取られないための対処法
LINEを乗っ取られないようにする対策にはどのようなものがあるのでしょうか?
大きく分けて5つ挙げていますが、より多くの対策をした方が乗っ取りを未然に防ぐことができます。
パスワード対策をする
- パスワードを使いまわさない・・・パスワードを使い回していると、乗っ取り犯が不正に入手した情報を元にアカウントへのログインを試みる、パスワードリスト型攻撃のターゲットになりやすい。一つのパスワードを使いまわさないように、サービスごとやジャンルごとに自分でルールを決め複数のパスワードでの管理が必要です。自動でパスワードを作ってくれるツールを活用することも検討しても良いかもしれません。
- パスワードを複雑にする・・・パスワードは複雑で文字数が多い方がより安全です。これはなんとなくわかると思いますし実感していると思います。
- パスワードを定期的に変更する・・・パスワード漏洩の可能性はどんなに注意していてもゼロにはなりません。同じパスワードをずっと使い続けていれば、漏洩のリスクはどんどん増していきます。
定期的に変更することがおすすめです。
他端末からのログイン許可をオフにする
LINEには他端末からのログインをできないようにする設定があります。
ログイン許可をオフにするとパソコンからのログインを防ぐことができるので、乗っ取り防止に役立ちます。
***設定***
LINEを開き「ホーム」をタップする>画面右上の「設定」をタップする>「アカウント」をタップする>「ログイン許可」をオフにする
LINEにパスコードロックをかける
スマホ版のLINEではログインするためのパスコードを設定することができます。
スマホでLINEを開くたびにパスコード入力が必要なので、アカウント乗っ取り防止に役立ちます。
***設定***
LINEを開き「ホーム」をタップする>画面右上の「設定」をタップする>「プライバシー管理」をオンにする>設定したいパスコードを入力する
アプリをアップデートしておく
アプリは常に最新版にしておくことです。
セキュリティーも最新にしておかなくては脆弱性をつかれてしまいます。
パスワードを推察できるような公開情報は控える
LINEのニックネームやアイコン画像、誕生日などの本人情報の公開には注意が必要です。
パスワードにつながりそうな情報は載せないようにした方が賢明です。
乗っ取られた時はどうするの?
LINEのアカウントが乗っ取られた場合は被害を大きくしないためにも、素早い対応が必要です。
LINEにログインができる場合とできない場合について説明します。
LINEにログインができない時
アカウントが乗っ取られて、パスワードを変更されている可能性があります。
被害の拡散を防ぐためにもすぐに対応しましょう。
事実関係をまとめて、LINEの公式の「LINE問題報告フォーム」で「アカウントが乗っ取られた」と報告しましょう。
その後、LINEサイドが事実確認をしてアカウントを削除します。
周囲の人たちにもアカウントが乗っ取られた旨を伝え、被害が出ないように周知させましょう。
LINEにログインできる時
LINEにログインできるなら、すぐにパスワードを変更します。
パスワードを変更すると乗っ取りはできなくなるはずです。
***設定***
LINEを開き「ホーム」をタップする>画面右上の「設定」をタップする>「アカウント」をタップする>「パスワード」をタップする>スマホで設定している画面ロックと同じパスコードを入力する>「確認」をタップ>新しいパスワードを入力する>「変更」をタップする
まとめ
アカウントを乗っ取ったりする犯罪と、それを防ぐセキュリティーの進歩は常にイタチごっこです。
自分はアカウントなど乗っ取られない!大丈夫だ!とタカを括っていませんか?
誰もがそんな犯罪に巻き込まれる可能性はあるのです。
できる限りの防衛策をできることから始めましょう。
まずは
・パスワード対策をして、
・他端末からのログイン許可をオフにして
・LINEのパスコード設定をしてみることから始めませんか?